ここ2、3週間ほど、訳あって、働くことの意味について、改めて、よく考えている。
このシリーズは、そんな僕の頭を整理するための備忘録だ。
信じられなかった、会社員として働くということ
ある日、僕がバーで考え事をしながら一人飲んでいたら、カウンターの端っこから、誰かが誰かに説教をしているような声が聞こえてきた。
どっかの会社の先輩社員が新入社員に何やら言っている、そんな構図だ。
耳を澄ますと、「もう、学生気分は卒業して、社会人として・・・云々」っていう、得意の説教だ。
ああ、でもわかるね。
僕だって、20年ほど前、学生から会社員になる間際、会社員として働くなんてことは、僕にとって到底想像し難いことで、怯えさえしていたのだ。
アルバイターと会社員の違いを考える
確かに、僕は学生時代、全くカネがなかったので、基本的にアルバイターとして学費や生活費を稼いでいた。
浪人時代は新聞奨学生、大学に入っても数々のバイト。
会社員もアルバイターも、働いて、カネを得るという意味では全く同じじゃない?
だというのに、僕は会社員になる際に何に怯えていたのだろう。
「会社員になったら、甘い考えなんて通用しないよ」という忠告めいたことを、酒を飲みながら、バイト先の雇い主から言われたものだ。
そこで、自営ではなく、何処かに所属する働き手にとっての、アルバイターと会社員のメリット・デメリットを、ボーッと考えてみた。
あ、僕の書くブログなので「責任の重みが違う・・・」とか「労働契約上の・・・」なんて陳腐な事は出てきませんので、悪しからず。
ボーッとして書いているので、ハナシも支離滅裂なことは言うまでもないですw
雇い主からのアプローチ
雇う側の立場から考えてみる。
「学生です。バイトで学費と生活費を稼いでいます」というかつての僕。
バイトは、誰もそんなことは定義していないけど、時限付きで働いているという共通認識があるものだ。
特に学生の場合はね。
いつかはそのアルバイターは卒業する、だから雇用主の側もいつかはいなくなるという前提で雇っている。
また、バイトは雇用の調整弁だ。
僕はバイトで働いていた際、契約書なんてものは一度も受け取ったことがなかった。
だから、クビも切りやすかっただろう。
切られたことはないけど。
さらに、アルバイターに対しては、その人を成長させるという考えなんて、雇用主にはない。
その人がその時点で持っている、スキルをそのまま流用して働かせる。
ごちゃごちゃ書いたが、つまり、バイトは短期雇用、クビにもすぐなるし、成長もしない、まさに雇い主にとって都合の良い方々なのだ。
逆に会社員はこの逆だ。雇用主に手間がかかる。
・・・バイトは働き手にとって、デメリットだらけじゃんか!
でも、じゃあ、雇われる側から考えるとどうなんだろう。
雇われる側からのアプローチ
バイトと会社員。
もう、その2者の間では、その個人の信用力そのものが全く違う。
端的に現れるのは、銀行によるローン審査だ。銀行はアルバイターに長期かつ個人にとって巨額である住宅ローンを組ませない。
住宅ローンは、売主の不動産会社や銀行の関連会社の住専、住宅金融公庫の取次という通して行われていたわけだ。
・・・ここでは関係無いハナシだけどw
それは、ただでさえ、銀行にとっては金利変動リスクがあるというのに、バイトは収入が不安定だ。
そんなバイトに巨額かつ超長期のローンを貸し付けると、デフォルトの可能性も高まるというわけだ。
カネを貸すにあたっては、そんな金利変動リスクを乗り越えるだけの、デフォルトしない「信用力が無いと!」と銀行は解釈しているわけだ。
だとすると、その信用力の源泉は・・・まず、企業に勤めている、収入が安定している、つまり会社員ということになるだろうね。
さらに、バイトの場合は、前述の雇用主からの立場で考えた、短期雇用が前提だ。
そこに人が成長ができる環境は無い。
だから、バイトをしながら、何らかの成長やスキルアップをするには、自身で何とかしなければならない。
そして、その源泉となる自分に投資するカネを調達するのも難しい。
いい年になってアルバイターだったら、マジでヤバイw
雇う、雇われるを超越した、カネを払う側へ価値を提供する人間
・・・20年も会社員として働き続けて、こんな超当たり前な話を考えること自体アホな僕だけど、バイトというのは、会社員と比べて、圧倒的に不利なことを改めて整理できた。
でも、そんな会社員という枠が突然外れてしまったら?
つまり、リストラ、解雇という状況だ。
僕は幸い、そのような憂き目に会ったことがない。
だけど、会社という装置にもたれかかって仕事をしていたら、その装置が外れたら一巻の終わりだ。
まさに野垂れ死の状況だ。
じゃ、どうする?
それは、やはり、カネを稼ぐチカラをつけ続けて行くしかない。
雇う、雇われるを超越した、カネを払う側へ、その対価の分だけの「価値」を提供する人間に近づき続ける、つまり成長だ。
そのチカラとは、机上の勉強であって、仕事上の行動と成果であって、公私含めた本当の意味での人脈であってさ。
「それ」が好きなことだったら、続けられることだったら、嬉しいことこの上ない。
今のところ、僕は「それ」が好きで、続けられそうだ。
<続く>
Posted from 能戸 淳
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