読書とブックレビュー

想ったがための行動が、裏腹な評価につながるという皮肉:石原慎太郎著「天才」を読んで#3(全3回)【読書とブックレビュー#33】

引き続きこの本について。
(前の記事はこれね)

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「政治の天才」故・田中角栄氏の人生を、石原慎太郎氏が田中角栄さん本人の視点で一人称で綴る作品であり、数ある「角栄本」を読んだ中でも衝撃度という意味では本書が一番だったかなと思えた。

この本を読んで、僕が強く感じたのは、
「想ったがための行動が、裏腹な評価につながるという皮肉」
というものだ。

ある程度生きていれば、この手の皮肉は、誰もが思い当たるフシがあると思う。

よくあるシチュエーションは、
家庭なら配偶者や子供、学校なら友人や後輩、会社なら後輩や部下のことを思ってとった言動が、
単なる嫌がらせにしか受け取られなかったようなことだ。
ひょっとすると、ストーカーの類もその程度によるが似たようなものかも知れない。

「思い」や「想い」は大抵、他者に通じないものなのだ。

人の「想い」は錯綜する。 この高速道路のように。

人の「想い」は錯綜する。
この高速道路のように。

話を本書の「政治の天才」故・田中角栄氏に戻す。

故・田中角栄氏も存命中、日本、そして日本国民を想ったがための行動が、裏腹な評価につながってしまったと思える。
高速道路・新幹線・空港の整備、アメリカのメジャーに依らぬ資源外交、日中国交正常化、インフラ関連を中心とした30以上の議員立法等々、「政治の天才」という言葉に相応しい未曾有の実績を持つ田中角栄氏は、国民のことを第一に思う本当の意味での「愛国者」だったのだろう。

国民を思うがために行動するひとつの手段、つまり本書で触れられた公認の候補者に一人三千万円といったことに代表される金権政治は、ある種「必要悪」だったかも知れない。

しかし、愛国者としての行動を追求するあまり、著者である石原氏の本書での言葉を借りれば、

「彼はアメリカという支配者の虎の尾を踏み付けて彼等の怒りを買い、虚構に満ちた裁判で失脚に追い込まれた」

(=ロッキード事件)
のだろう。
そして、それが国民からの裏腹な評価につながってしまったわけだ。

このような国民を想う大人物でさえ、「想い」は通じなかったわけだ。

本書を読み終わって、田中角栄という人物の大きさを改めて再確認するとともに、「何と人生というのは虚しいものか」と僕は思った。

気疲れした時は、コーヒーでも飲んでボーッとすることも大切かもね。

気疲れした時は、コーヒーでも飲んでボーッとすることも大切かもね。

・・・ということで、改めて自分自身を省みた。

「思い」や「想い」は大抵、そもそも他者に通じないもの。

だから、僕は「思い」や「想い」は胸のうちにシマっておいて、日々淡々と人と付き合うことにしている。
響きあう人はオカシなアクションを取らなくてもじきに響きあうもの・・・そう考えて、前向きに人生を生きていこう!

と思ったね。
ということで、このシリーズはオシマイ。
またビビッと来た本は随時紹介していくね。
あと、基本的に僕はこのメディアマーカーで読んだ本やビデオの簡単なレビューをしてますので、お時間があったら覗いてください!

能戸 淳

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北海道出身、金融界周辺に漂い十数年、
ですがその匂いが全く感じられないといわれます。
金融絡みの内容は書きません。中身はアラフォー関連のライフスタイル中心です。
なるべく楽しいエントリで埋め尽くしたいのですが、人間ですので辛口になることが多々あります。ご容赦をw

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