第2回 1998年1月4日 23時45分
4ヶ月前の1月4日は正月休みの最終日だった。
23時45分。
俺は明日から始まる出社への絶望的な気持ちで落ち着かなかった。
東証二部の耐久財メーカーに入社して8年目。
入社以来、法人営業で仕事には慣れたが、オニのような今期のノルマ達成にはほど遠い。
「あと3ヶ月で12億って・・・おいおい」。
おまけに同じような毎日を繰り返す仕事そのものにも飽き飽きしている。
仕事が好きじゃ無いから仕事に身が入らない。
だから、昇進の見込みも無い。
「はー。さてと」。
そんな気持ちを落ち着けて眠りにつく最終手段・・・っていうか、いつものことだけど。
エロ本の半ケツグラビア娘を目掛けて動かすこと、10分。
・・・落ち着いた。
賢者モードでエロ本のどうでもいいような記事を眺めると、特有のゲスな見出しが。
「ツーショットダイヤル界の巨匠S氏、秘密テク大公開」
記事には30代後半の公務員だといういかがわしい男による「秘密テク」が自慢げに書かれていた。
このS氏、ツーショットダイヤルでゲットすること5百人。
OLだ、主婦だ、女子大生だという体験談を読んでいくうち、疲れきったはずのモノがまた・・・。
(つづく)
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