「賃金の下方硬直性」。
経済や経営関連の本を開くと出てくる単語だ。
そんな言葉を久々に思い出した、エピソードが一昨日あった。
家政婦は見た?
僕は、その日の午後、体調を悪くして会社を早退した。
で、どうも気分が悪いので途中駅で降りて、喫茶店で休んでいたわけ。
その喫茶店には色んなお客がいたんだけど、1時間半ぐらいだろうか、滞在したのは。
帰り間際に外回りのサラリーマンのペアが横の席にきた。
(「・・・ふふ、これは面白い話が聞けそうだw」)
でも会社の同僚とか、近しい人の話は時に聞きたくもない。
第一、僕はよっぽど親しい人以外他人に興味が無いし、それに、余り近しい人だとメールをのぞき見するようで何かイヤなんだよね。
どうやら、先輩と後輩、それも上下関係が厳しそうな会社のようだ。
ますます面白そう。
「家政婦は見た」の市原悦子の気持ちがプチ分かるね。
「金太郎アメにならないとダメだろう!」www
何かその先輩が怒っているんだよね。
どうやら、後輩が会社の規定を守っていなかったらしく、説教をしている。
会社というのはいつ足元をすくうか分からないものだからね。
しかし、だ。
その次に出てきた言葉が良く理解できなかった。
「会社員たるもの、金太郎アメにならないとダメだろう!」
はー、なるほどね。
「『俺代わるよ』硬直性」
僕はこの「金太郎アメ」という言葉は2つ捉え方があると思う。
1つはなるべき「金太郎アメ」。
もう1つはならないべき「金太郎アメ」。
まず1つ目のなるべき「金太郎アメ」。
人の個性というのは、何も目に見えるものでなくてもいい。
学校の制服みたいなものだ。
昔良くいた「制服反対」みたいな連中は、結局は学校の外では同じような格好をしていたものだ。
つまり、本当の個性が無かったわけでね。
そういう類の個性は要らない。
会社に置き換えれば、会社の規程を遵守することが、正しい「金太郎アメ」のあり方だ。
そして2つ目の「金太郎アメ」。
こっちはなったらダメな方だ。
言い換えると、他人と同様のスキルセットや考え方「だけ」を持ってはいけないということだ。
他人と同様のスキルセットや考え方だと、そいつは誰かに置き換えることが容易に出来るわけだ。
つまり、そいつが会社からいなくなっても、誰も困らない。
誰も困らないということは、賃金を低く抑えても文句は言えない。
文句が言えないということは、その会社はつまらないということだ。
これは、会社にとっては一種のダウンサイドリスクと言えるものだが、当の本人は他人と差別化できる、中々代わることができない、一種のパワーとなり得るわけだ。
これを僕は、
「『俺代わるよ』硬直性」
と名付けた造語で、人に話すことがある。
もっとも、どんな仕事でも、誰にも出来ない仕事はあり得ない。
時間さえかければ、どんな仕事でもデキない仕事なんてありゃしないのだ。
よって、会社にとって優秀な社員とは、学歴だとか、社歴だとか、何かの資格、潜在能力だとか、そんなどうでもいいもので測るものじゃない。
そいつの存在によって、会社が安く時間を買うことができる即効性がある者を指す。
・・・と、話が長くなってしまったが、後輩くん、先輩の話は半分正しくて、半分間違っているから気をつけるように!
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