生き方

憐憫か、蔑みか


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今日、昼食を終えたあたりの時間。
銀座のはずれを歩いていたら、「異臭」を感じた。
「異臭」とは、何日も風呂に入っていないような「垢の臭い」だ。

どうして、だろう

ふと、顔を上げると明らかに住む家が無いと思われる老婆が、腰を曲げ足を引きずるように、歩いてこちらに向かってきた。
正直言って、とても臭い。
老婆が歩くスピードより、僕の歩くスピードは3倍以上あったので、アッという間に通り過ぎた。
しかし、残り香がなお、鼻をつく。
臭い、でも僕は悲しい気持ちになった。
「どうして、だろう」

大阪の街角で

歩きながら、思い出した。
10年ほど前だろうか。
休暇に家族で大阪に遊びにいって、どこかの街角を歩いていた。
すると、沢山の荷物、いや傍目にはゴミとも言える、その中に埋もれるように老婆が佇んでいた。
そして、無言で小さな手のひらサイズのアルバムの中の写真をじぃっと眺めていた。
その写真は子供の写真だった。
僕は妻と顔を見合わせた。
思いは同じだったはずだ。
僕は未だにその光景を思い出すことがあって、その度に胸が痛くなる。
そして今日も思い出して、胸が痛くなった。

憐憫か、蔑みか

時間と場所は変わって、10数年前。
同僚と昼食を食べた時を思い出した。
僕は大事な事を忘れる時がある一方で、ふとした出来事を忘れないことがある。
やはり今日と同じような状況に遭遇した。
「やっだー、臭い!ホントにアイツらときたら、どうしようもないよね。ね!」
僕は無言だった。
そして、こんな会話があったはずだ。
僕「あの人だって、なりたくてああなったわけじゃないはずだよ」
同僚「違う、違う。だらしなく生きているからああなったんだよ。そんな甘いこと言っていると能戸君もああなっちゃうよ?」
僕「そうかも知れないね」

僕は平行線になることが明白な議論は受け流す。要はどうでも良いことで議論しないのだ。
人は誰かに言われただけでは、自分の考えを容易く曲げはしないもの。
そんなどうでも良い議論に費やすべき人生の時間がもったいない。
ただ、譲れないときもある。そんなことは1年に1回ぐらいだけれど。

このケースのように、憐憫か、蔑みか、どちらを選ぶ?と、言われると、僕は憐憫を選ぶ。
こういう場面に遭遇して蔑みを選ぶヤツとは友人にはなれない。
実際この同僚とはあらゆる場面で意見がかみ合わなかった。

今日のお昼時に見かけた老婆。
大阪で見かけた老婆。
そして、同僚と見かけた老人。

誰も選んでそんな状況にいるはずはない。
でも、人生はどこに「落とし穴」があるかわからないものだ。
そうならないように生きているけど、僕もいつそうなるかわかったものじゃない。
だから、僕は憐憫を選ぶ。

 

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能戸 淳

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北海道出身、金融界周辺に漂い十数年、
ですがその匂いが全く感じられないといわれます。
金融絡みの内容は書きません。中身はアラフォー関連のライフスタイル中心です。
なるべく楽しいエントリで埋め尽くしたいのですが、人間ですので辛口になることが多々あります。ご容赦をw

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